「一日でおむつがはずせる」?
はじめに
トイレトレーニング、大変ですよね。断乳と並んで、乳幼児期の大きなイベントの1つだと思います。このたび、うちの2人の子どもでトイレトレーニングを完了しました(前回の1人目は約3時間、今回の2人目は丸2日で完了)。
2人とも「一日でおむつがはずせる」というメソッドをベースにして、私がそれなりにアレンジを加え、実践しています。
この記事ではそのメソッドと様子を余すことなくお伝えします!
今回おむつ卒業したのは何歳?
うちの第2子。2歳0ヶ月です。
トイレトレーニングの経緯・結果は?
結果は・・・
2日でおむつを完全卒業!
やった!
1人目に比べてだいぶ言葉も早く、自分でトイレの意思を伝えることもできること、オムツの卒業を自ら志願していることから、トイレとレーニングを実施することを決意。
もちろん、1人目でも約1年前に実践して大成功した「一日でおむつがはずせる」メソッドによるトイレトレーニングの実施。
結果は、2人目でも大成功でした!
集中したトレーニングの時間は必要ですが、それさえ乗り越えればトイレトレーニングの負担が確実に軽くなるので、全ての日本人のパパさんママさんに絶対お勧めの方法(なぜか分かりませんが、日本ではまだ浸透していないように思われます。)。ぜひ最後までお読みいただければと思います。
「一日でおむつがはずせる」とは?
1人目のトイレトレーニングをするときに、いろいろネットで調べていて、このメソッドを見つけました。
原著はこれ。行動分析学に基づく心理学者N・アズリン博士とR・フォックス博士によるアメリカの本(”Toilet Training in Less than a day”)で、1984年発刊と非常に古い本ですが、この本を上回るトイレトレーニングのマニュアルはないと思います。
また、一般的に日本で行われているトイレトレーニングとはだいぶ方法論が異なりますが、(場合によっては我が子向けにアレンジする必要があるものの、)基本的にはどの子にもほとんどこのまま適用可能であると思います。
絶版になっていて、中古のものは高いですが、メソッドの要旨はネット上で入手可能です。私も以下に簡潔にまとめておきます。
行動分析学って?
まず、このメソッドの前提となる行動分析学について簡単に紹介を。
行動分析学とは、心理学の1つであり、バラス・スキナー(Burrhus Frederick Skinner)が新行動主義心理学をさらに改革し、新たに起こした徹底的行動主義(radical behaviorism)に基づく心理学の一体系とされています。人間や動物の行動には環境の変化に基づく「原理」や「法則」があることについての学問です。
その原理・原則を利用し、さらに推し進めて行動の「予測」と「制御」をしようという「応用行動分析」というものもあります。
人間の行動を誘発する原理は、主に、「強化」「消去」「弱化」の3種類があるとされています。
「強化」:行動直後に良いこと(心地よさ、不快・苦痛からの解放)があると、その行動をもっとするようになります。
「消去」:行動直後に何も変わらない(心地よくならない、不快・苦痛からの解放もない)と、その行動をしなくなります。
「弱化」:行動直後に嫌なこと(不快・苦痛を感じる、心地よさが失われる)があると、その行動をしなくなります。
「一日でおむつがはずせる」のメソッドは、このような人間の行動原理を利用し、子ども自らおむつ→パンツに移行するという行動をとれるよう、環境を整えていくことがその中心となります。
具体的な「一日でおむつをはずす方法」+アレンジver.
開始の目安と判定テスト
以下が判定テストですが、これらは、上述の行動原則に基づく行動をとることができるか、その前提条件となるものです。目安の年齢は1歳8ヶ月ですが、あくまでも目安でであり、個人差があるので絶対的なものではありません。各項目について、お子さんが要件を満たすかご確認ください。
膀胱括約筋のコントロールテスト
(2) 2~3時間おむつを濡らさずにいることがよくあるか?
(3) おしっこが出そうになると変な顔をしたり独特の姿勢を取るなど、尿意を自分で知っているか?
身体的発達テスト
(2) 手伝いがなくても、部屋から部屋へ歩いて移動できるか?
指示に従えるかどうかのテスト
(2) 「ここに座って」「立って」「ママといっしょに来て」と指示すると指示通りに動くことができるか?
(3) 「ママが手をたたいたら、手をたたいてね」というと、お母さんの動作を真似するか?
(4) おもちゃなど、いつも使用しているものを持ってくるように言うと、ちゃんと持ってくるか?
(5) 「お人形さんをこの車に乗せて」などと、1つのものをもう1つの上に置くように指示すると、指示通りにするか?
事前準備
事前準備として、以下を行っておく必要があります。
- 衣服の脱ぎ着をさせる(※完全にできなくてもOK)
- 家族のトイレを複数回見学させる
- トレーニングに必要な言葉(「おまる」「濡れてる(ビチョビチョ)」「乾いてる(サラサラ)」「座って」「立って」「おしっこ(チッチ)」「ウンチ(ウンウン)」など)を教える
- 指示に従うということを教える
また、以下の物を事前に準備しておく必要があります。
- お菓子(できればスナックなど塩気の強いもの ※尿意を催させるためです。)
- 飲み物(ジュース、牛乳など子どもが好きなもの)
- おまる、または補助便座(本当はおまつが望ましいようですが、うちは補助便座で2人とも成功しています。)
- 子どもが好きな人形・ぬいぐるみ(うちはベネッセの「しまじろう」です。おすすめ。)
- トレーニングパンツ10枚程度(おもらしの気持ち悪さを体感させるため、本当は多層になっていないものが良いですが、うちは2~3層になっているものを利用。それでも可能です。感覚に対する感度が弱い子の場合は1層のものが良いと思いますが、部屋中の掃除が大変です。。。)
- 水を出せるスポイト的なもの(うちは穴が開いているお風呂のおもちゃを利用)
また、以下のとおり当日の環境を整えることが理想とされています。
- テレビやラジオは消す。
- おもちゃは目に付かない場所に片付ける。
- 電話は留守電などにしてできるだけ出ない、または、手短にすませる。
- 来客の場合も「手が離せない」と断る。
- トレーニングを実施する人以外の家族には外出してもらうようにする。
当日の手順
当日の手順です。私は絶版になっている上記の書籍を購入していませんし、ネットに記載されていた情報を基に、私なりにそのメソッドをさらにアレンジして実践した内容を記載している点、ご留意ください。しかし、より実践的な内容になっているのでは?というふうには思います。
人形を使った実践(おまるではなく補助便座の場合)
いきなり子どもにパンツを履かせないでください。まずは人形を使って、トイレの仕方を勉強します。そして、トイレでおしっこをするのは良いことなのだ、おもらしをするのは気持ちの悪いこと(いやなこと)なのだ、ということを学ばせます。
人形による成功体験
- 人形にパンツを履かせる(子どもと同じものでOK) ※できれば子どもにやらせましょう。
- 人形をトイレに連れて行かせる ※できれば子どもにやらせましょう。
- 人形を便器に座らせ、お尻の部分に隠したスポイトを使っておしっこをさせる(スポイトを使うのが難しい場合には、実際にはしなくても、「出たね」と言うだけでもOK)。うちの場合は、チャレンジのおまけでついてきた「しまじろう」のパペットを使いました。手を入れる部分に、スポイト(の代わりのお風呂のおもちゃ)を隠せるので、簡単におしっこを再現できます。しまじろうは子どもも大好きだし、これでやるのがお勧め。
- 人形を褒め、人形にご褒美のお菓子をあげる
- 「○○ちゃんも、(人形)みたいにトイレでおしっこして、ご褒美もらおうね」と言う。
- 子どもにご褒美あげる。
人形による「サラサラ」タイム
- 人形のパンツをあげるのを手伝わせる。
- 1~2分後、人形のパンツを触らせて、乾いているのを確認させて、「パンツ、サラサラだね」と言って人形を褒め、お菓子をあげる。「確認してくれてありがとうね」と言って子どもにもご褒美のお菓子をあげる。
- 子どもの理解が不十分と思われる場合には、数分後、再び人形のパンツを確認し、上記を実施(場合によっては3~4回繰り返す。)。うちは十分理解しているようでしたので1回のみ実施。
人形による失敗体験
- 3~4回の確認後、人形のパンツに水を数滴こぼしておく。
- 人形のパンツを確認させる。濡れていたのを確認させ、濡れている場所を触らせ、人形に「だめだよ」「ビチョビチョ、気持ち悪くて、いやだよ」という。
- その後、子どもに、人形に「練習」をさせるよう提案する。練習は、人形をトイレに連れて行く→パンツを下ろさせる→2~3秒便器に座らせる→パンツを上げさせる→おもらししたところへつれて帰る、という流れ。できればこの「練習」を3回ほど繰り返す(こちらもうちは理解できていたので1回のみ)。
- さらに数分後、上記の手段で人形におしっこをさせて、褒めさせる。
- この人形による実践によって、おしっこはトイレでするものだ、トイレ以外でおしっこをしてはいけないのだ、ということを子どもが学習します。
子どもによる実践
いよいよ子どもによる実践です。
- 子どもにパンツを履かせる。
- 「○○ちゃん、パンツ、サラサラ?」と言ってパンツが濡れていないか、確認する。
- パンツが乾いていたら、「パンツ、サラサラだね!気持ちいいね!」と言って、ご褒美にお菓子と飲み物をあげる。お菓子だけでなく、飲み物をあげるのがポイントです。トレーニングのため、水分を過剰に摂らせ、尿意を促します。お菓子もできるだけ子どもが好きなものを。大丈夫、1日くらいお菓子とジュース摂り過ぎても病気になりません。
- トイレで便器に座るよう促す。しばらく座らせて、出なければ、戻ってOK。「またあとで、来ようね」と言う。出たら、褒めてご褒美。
- 5~15分おきにパンツの確認を繰り返す。乾いていたらご褒美。経験上、10分が良いリズムだと思います。
- トイレでうまくおしっこができたら、思い切り褒める。思い切り、というのが重要。「強化」の必要があるから。
おもらしをしたら
- 「ダメ」と言う。「ビチョビチョのパンツ、いやだね」などと不快の念を示す。
- ただし、「ダメ」というのは一度きり。だらだらと叱らない。
- 腹を立てて怒るのはNG。あくまでも客観的に「いやだ」という感覚を植え付ける。
もちろん、体罰は絶対にNG。 - 「大丈夫だよ」とポジティブな言葉を掛けるのもNG。あくまでも「ダメ」なことであるという態度は徹底する。
- 濡れたパンツに触らせ、いやだと言うことを自覚させる。
- 「どこでおしっこするんだっけ?」と聞き、トイレまで道案内させる。「次はここでしようね。」
- 脱ぎ終わった後の後始末を自分でさせる。
上記の繰り返しです。これを繰り返すことによって、トイレですると気持ちが良い、おもらしは気持ち悪いことなのだ、ということを自ら学習し、自然に行動に結びつけることが可能になります。
人間とはすごいものですね。。。
うちの子に実践した結果
第一子に実践した結果
2歳くらいから日本式のゆるいトイトレを始めたものの、定着せず。
その後このメソッドのことを知り、実践したところ、すでに満3歳前後ということもあってか、3~4時間であっさりとおむつが外れました。その当日から、夜もパンツのままで、昼夜を問わず一度もおむつに戻っていません。それ以降、失敗はほぼゼロです(寝る前に飲み物をたくさん飲んでしまったときのおねしょ1回だけ)。
このメソッドは恐ろしいなと思ったのを覚えています。
この日のトレーニングは父である私がほぼ1人で行いましたので、ママではなくパパでもできますよ、全国のおとうさん方!
第二子に実践した結果
さて、いよいよ今回の実践です。例によって、第二子の今回も私が担当です。
時系列に沿って実際の流れを振り返ってみます。
【1日目】苦労・疲労・失敗・・・
9:20 人形を使った実践・
9:30 子どもに実践。
9:40 1回目のサラサラチェック、ご褒美。
9:50 2回目のサラサラチェック、トイレでおしっこ成功!ご褒美。
10:00 サラサラチェック、ご褒美。
10:10 トイレ行くが、出ない。サラサラご褒美。
10:25 うんち失敗。途中からトイレに連れて行ってトイレでする。おしっこ少し成功。ご褒美。
10:40 油断して目を離しているうちに、おしっこ失敗。
10:50 失敗が続いたので、人形でもう一度おしっこ成功を見せる。本人は出ない。サラサラご褒美。
11:00 サラサラチェック、トイレ行くも出ない。サラサラご褒美。
11:05 子どもの集中力が切れてきたので、ビデオをつける。ビデオ見ながらもリズムは崩さないように注意する。
11:15 サラサラチェック、トイレに行くも出ない。サラサラご褒美。
11:20 おしっこ失敗。
11:30 サラサラチェック、トイレ行く。おしっこ少し出た?ご褒美。
11:45 さらさらチェック、トイレ行く。出ないと言ったが降りたらおもらししてしまう。。。
12:00 普通におしっこおもらし。
12:10 自らトイレ行くと申告するが、出ない。
12:15 おしっこおもらし。途中からはトイレでできる。ご褒美。空腹&眠気で、集中力が切れてきた模様。。
12:30 昼ごはん
13:00 トイレ行く?と聞くと素直に行く、と。おしっこ成功。褒めてご褒美。
13:20 うんち成功。
13:40 トイレ行くが、出ない。
13:55 うんち失敗、あとちょっとで惜しかった。
14:25 おしっこ、失敗。
14:40 トイレ行くが、出ない。
15:20 おしっこ、失敗。
15:50 おしっこ少し出た?ご褒美。
16:10 トイレ行くが、出ない。
以降、断続的に自分でトイレに行くようになる。しかし、おしっこは出てなさそう。
17:00 トイレに行こうとするが、もう少しでトイレに届かず、おしっこ失敗。
19:50 寝る前におしっこ成功!
寝る前にオムツを履かせたいところだが、ぐっと我慢し、トレーニングパンツのまま寝かせる。パンツとおむつを混ぜるのは本人も混乱してしまうので、望ましくないはず。おねしょが気持ち悪いということも自分で学ばせる。
【2日目】成果が見え始め…
朝起きると、おねしょしている。いやだと言う自覚はあるよう。1晩目だから仕方ない。今日は、ジュースを与える量を少なくしていき、水分摂取量を通常に戻していく。
8:40 朝ごはん後、おしっこ成功!ご褒美。
9:00 うんち、失敗
9:15 トイレに行くが、おしっこ、出ない。
9:35 トイレに行くが、おしっこ、出ない。
10:00 トイレに行くが、おしっこ、出ない。
10:45 おしっこ成功!
11:15 トイレ連れて行くが、座らない。
12:15 おしっこ成功!
その後は、一回だけ失敗、その他はすべて成功。
19:45 おしっこ成功。
2晩目もトレーニングパンツのまま寝かせる。もちろん、おねしょ覚悟。
【3日目】完全卒業!
朝起きると、泣いているので「おねしょしたか?」と思ったら、なんとサラサラ!!
おしっこを我慢していて泣いていた模様。
急いでトイレに連れて行くと、おしっこ成功!
それ以降、おしっこ・うんちともに全て成功。一度もおもらし無し!
結果のまとめ
というわけで、第2子は、丸2日で完全におむつが外れました!
1日目は「このままだとかなり厳しいか…?」と思いましたが、徹底しておむつを履かせたことにより、2日でバッチリ行動できるようになりました。
買い物にも行かずに家にこもりっきりで子どもとにらめっこ、それなのに1日の歩数は1万歩近く、お(トレパンとはいえ)おもらしのときは家中の掃除・・・という、親にとってはかなり大変な2日間でしたが、3日目以降は自分でトイレに行っておしっこもうんちもしますので、大変楽チンです。。
ダラダラと何ヶ月もかけてトレーニングするよりも間違いなく楽ですし、子どもも混乱・苦労することなく子どものためにもなると思います。
以上、我が家の第2子のおむつ卒業体験記でした。お役に立てましたら幸いです。
第3子のときはさらにこのメソッドを自己流にブラッシュアップして、1日で卒業できるようにしたいと思います!